2015年11月23日月曜日

③店舗設計と工事について

物件が確保できると、いよいよ店舗工事がはじまりますが、その前にデザインやレイアウト等を決めなければなりません。
 一般的には事前にイメージのアウトラインを決めておき、物件発生した段階で現状の設備状況を含めて現地調査を実施し、それに基づいて設計していくことになります。
 中小規模の店舗工事なら、この設計施工のスタイルで然程問題ないと思いますが、規模の大きな店舗やデザインにこだわりがある(それが独自性であったり、差別化である様な)場合はあらかじめ設計又はデザイン会社等を決め、計画段階で一次プランを作成し、それに併せて物件取得する場合もあります。
 設計施工にするか、設計と施工を分離するかの判断や、分離する場合も設計事務所に頼むのか、デザイン事務所に頼むのかの判断も、つくる(つくりたい)店の内容や業態、又は何に比重をおくか等によりかわってきます。
設計施工の会社では、その名の通り設計から施工まで全般をこなしますが、よりクリエイティビティーなデザインを求めるのであれば、デザインのプロに任せたほうが良いでしょう。
但し、デザイン事務所は設計事務所の様な工事についての詳細な知識(構造計算や設備・施工単価のチェック等)を持ち合わせていないことが多く、設計事務所も飲食店の厨房やオペレーションに伴う作業導線等は一般的な知識にとどまるところが多いのが現状です。
 設計事務所に依頼することで、工事費が安く済むという話がありますが、これはある程度の規模の工事で、ローコストの設計、施工単価のチェックを実施し、施主(発注者)の主旨や意向をできるだけ組み入れて現実の工事(施工会社との調整)をすすめた結果です。
意思疎通の難しい分野なので、施主(発注者)のもつ主旨や意向(イメージ)を現実(設備状況・費用・施工業者)に近づけていく専門性と調整力が取引先選定のポイントとして重要です。
相見積についても、ある程度の知識がなければ正当な判断は難しく、表面上の金額だけで決定するのことはリスクを伴います。
       
店舗工事については、完成後のメンテナンス対応も重要です。
店舗は夜間や休日に限って、往々にしてトラブルが発生します。
最近では店全体のトラブルに緊急対応するメンテナンス業者も増えましたが、施工した会社はその店のつくりを一番把握していますし、メンテナンスだけでなく、数年後に改装等を実施する場合の話もスムーズにおこなえます。
できるだけ低価格で施工してもらいたいのは当然の事ですが、表面上の金額だけで判断してしまうと、少し先の事まで考えた場合に、本当に得をしているとは言えないことがあります。
       
本来、商売は人間関係から成り立ちますので、お店のお客さんだけでなく取引先や仕入先等と共にいい関係を築く事も重要です。
お店によっては、その人たちもお客さんになりますし、宣伝マンにもなり得るのです。

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