2015年11月30日月曜日

⑦施設の「安い」を考える

利益を増やすことは商売の基本です。
施設費は固定費なので、少しでも低く抑えるために『安くあげる』対応を考えます。
『安くあげる』方法を大きく分けると、
 1.投資を抑える
 2.ランニングコストを抑える
となり、それぞれ相見積をとって安い取引先を選定して依頼することになるわけですが、見積もり表紙の金額を単純に『安い』と判断し、結果的に損をしているケースがあります。
施設や設備等は一度に消費をしてしまうものではないので、後日問題が発生することが往々にしてあるものです。
    
正しい比較に基づく判断がされないと、そのようなことが起こり得ますので、中期的な視点に立ち目的の品質・効果と弊害の度合い・アフターケアや付帯サービスを含めて総合的に比較検討することが重要です。

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2015年11月27日金曜日

⑥エネルギーコスト削減について

飲食店運営の中で経費をコントロールする場合、まずはFLコストをチェックされるでしょう。
売上に占める構成比が高いので、利益に直結する最も重要なコストだからです。
変動費といっても実際はコアな部分が大半を占めますので、ロス対策やシフト管理等の地道な削減の積み重ねで無駄を省くことが必要となります。

水道光熱費も飲食店運営の中では大きな変動費の一つで、削減の基本的な考え方は、他のコスト同様に無駄を省くことです。

使ってない電化製品のスイッチやガス機器の種火等は消す等は、意識さえ徹底すればお金をかけずにはじめられます。

一定の効果を出すために投資が必要な場合もあります。
電気であれば、高効率機器への入れ替えや省電力器具(LED等)への変更。
水道であれば、節水器具の設置や、センサー式又はタイマー式の水栓設置。
などが考えられます。必ずしも投資イコールコスト削減ではなく、適合する条件のもと適正に使われることが必要ですが、コスト削減以外のメリットもありますので総合的に判断すべきでしょう。

エネルギーコストを削減するには、使用を減らす方法と使用を減らす方法があります。※

電力会社やガス会社の契約メニューにあわせた削減方法など、更に効果の高い手法もありますが、どのようなものを導入する場合であっても①投資回収が早く確実に見込める②導入にあたって弊害が出ない。ことについて確認しておかなければなりません。
業者(又は購入先)以外の専門家に相談してみることも重要です。

2015年11月25日水曜日

➄修理か買い替えか?

修理と買い替えの判断は難しい問題です。
機械物の故障の多くは消耗品の劣化又は汚れによるものです。
消耗品を交換したり、汚れを取り除く事で大体の物は修理できます。
消耗品も、日常メンテナンスの範疇で交換できるものから、専門知識や専門工具を要するものまで
多種多様です。
汚れの除去も同様に、冷機器等のフィルター清掃やパイプクリーナーといった日常的なものから、分解洗浄や高圧洗浄の様に取引先に依頼する専門的なものまでいろいろです。
修理をすれば、とりあえずは直る場合が多いのですが構造的な不具合が発生すると、修理は高額なものになります。
使用環境や耐用年数を考慮して買い替えも検討すべきでしょう。

使用環境が悪い場合、或は適切な使用状況にない場合は耐用年数に関係なく、早めに買い換えたほうが営業に支障をきたすこともありません。
又、エネルギー効率の高い機器に入れ替えることで、短い期間で入替費用を回収できる場合もあります。

機器類の新製品は、数年で効率だけではなく使い勝手も向上しているものです。
物を愛着をもって大切に使う事も大事ですが、作業効率、エネルギー効率、衛生面、入替費用を、
現状のまま使い続けた場合の再発リスクや年間コストと比較して総合的に判断してください。
又、改装時に計画的に組み入れれば、コスト的なメリットもありスムーズに入替が可能です。
      
基本的な話として、快適に永く使用するために、日常のメンテナンスを怠らないようにしましょう。
      

2015年11月24日火曜日

④改装について

改装は、模様替えの様な軽微なものから、設備の入れ替えや増改築といった大規模なものまで様々です。
まずは改装する主旨をはっきりさせます。(目的と期待する結果)
改装の主旨がはっきりすれば、改装にかける予算が決まり、後は実務上の問題だけです。
そのお店を施工した取引先と繋がっていればそこに頼むのが一番です。
増築や大規模改装の場合は状況により設計も必要になってきます。
現実の状況と照らし合わせて、改装の主旨を再度確認しましょう。
予算上の問題はあると思いますが、中途半端な改装だけはしない事です。
修繕とは経費であって、店を維持運営するために劣化や不備を「元のあるべき状態」に復旧させる目的の行為なので、復旧した時点で目的(費用対効果)は完結します。
改装とは投資であって、「本来あるべき状態」に改造することで「目的を達成させる」ための行為なので「本来あるべき状態」と「目的を達成させる」との間に、明確な相関関係が必要です。
そして、目的が達成されることにより投資回収が可能となり費用対効果が発生します。
大手企業の運営するチェーン店の多くも、修繕の延長線で改装を実施しているのが実態ですが、回収見込みのない投資はすべきではありません。
回収の概念として売上や客数増に限らず、作業効率の向上による人件費率の低下や、労働環境の改善といった直接的に数値化できない側面を要素としてみることも必要かもしれません。
      
改装工事を表面的な金額だけで判断すると、大きなリスクを背負うことになります。
既に営業している店舗で実施されますので新店よりも多くの制約を受け、コスト的にも割高になる場合が多くなります。
改装規模によっては休業をせずに実施する方法もありますがコスト面、出来栄え等を考慮すると、改装期間は店を閉め、リニューアルオープンを前面に打ち出す方が効果は大きいでしょう。

従業員のモチベーションを含めて総合的に「改装」することが非常に重要です。

2015年11月23日月曜日

③店舗設計と工事について

物件が確保できると、いよいよ店舗工事がはじまりますが、その前にデザインやレイアウト等を決めなければなりません。
 一般的には事前にイメージのアウトラインを決めておき、物件発生した段階で現状の設備状況を含めて現地調査を実施し、それに基づいて設計していくことになります。
 中小規模の店舗工事なら、この設計施工のスタイルで然程問題ないと思いますが、規模の大きな店舗やデザインにこだわりがある(それが独自性であったり、差別化である様な)場合はあらかじめ設計又はデザイン会社等を決め、計画段階で一次プランを作成し、それに併せて物件取得する場合もあります。
 設計施工にするか、設計と施工を分離するかの判断や、分離する場合も設計事務所に頼むのか、デザイン事務所に頼むのかの判断も、つくる(つくりたい)店の内容や業態、又は何に比重をおくか等によりかわってきます。
設計施工の会社では、その名の通り設計から施工まで全般をこなしますが、よりクリエイティビティーなデザインを求めるのであれば、デザインのプロに任せたほうが良いでしょう。
但し、デザイン事務所は設計事務所の様な工事についての詳細な知識(構造計算や設備・施工単価のチェック等)を持ち合わせていないことが多く、設計事務所も飲食店の厨房やオペレーションに伴う作業導線等は一般的な知識にとどまるところが多いのが現状です。
 設計事務所に依頼することで、工事費が安く済むという話がありますが、これはある程度の規模の工事で、ローコストの設計、施工単価のチェックを実施し、施主(発注者)の主旨や意向をできるだけ組み入れて現実の工事(施工会社との調整)をすすめた結果です。
意思疎通の難しい分野なので、施主(発注者)のもつ主旨や意向(イメージ)を現実(設備状況・費用・施工業者)に近づけていく専門性と調整力が取引先選定のポイントとして重要です。
相見積についても、ある程度の知識がなければ正当な判断は難しく、表面上の金額だけで決定するのことはリスクを伴います。
       
店舗工事については、完成後のメンテナンス対応も重要です。
店舗は夜間や休日に限って、往々にしてトラブルが発生します。
最近では店全体のトラブルに緊急対応するメンテナンス業者も増えましたが、施工した会社はその店のつくりを一番把握していますし、メンテナンスだけでなく、数年後に改装等を実施する場合の話もスムーズにおこなえます。
できるだけ低価格で施工してもらいたいのは当然の事ですが、表面上の金額だけで判断してしまうと、少し先の事まで考えた場合に、本当に得をしているとは言えないことがあります。
       
本来、商売は人間関係から成り立ちますので、お店のお客さんだけでなく取引先や仕入先等と共にいい関係を築く事も重要です。
お店によっては、その人たちもお客さんになりますし、宣伝マンにもなり得るのです。

②店舗物件の確保について

 店舗物件といっても出店の形態等により何種類かに分かれます。
 一般的にテナントビル等に入居する場合が大半ですが、この場合も現状空いている物件も
 あればこれから空く(予定の)物件や、これから出来る(計画)物件等に分かれます。
 業種・業態により賃貸不可の場合でも、設備内容や条件によっては大丈夫なケースもあるので、 
 諦めずに粘り強く交渉してみるのが良いでしょう。
 これらの物件を(借りる)取得する為にまずは情報収集からはじまります。
 街を歩く、不動産屋を廻る等いろいろな手法はありますが、何十社というチェーン本部の店舗開 
 発(不動産)担当者が日々必死な思いで物件確保に奔走していますのでなかなか良い物件には
 巡り合えず、仮に良物件にあたっても他の希望者と競合したときの条件面(賃料設定や契約条
 項)や信頼面で個人より法人、小企業より大企業が一般的には有利となるので、チェーン店と直
 に競合する形態の店舗は(商売をする上でも)これらの事を念頭にいれておく必要があります。
 逆に、独自性を前面に出して商売ができるフォーマットなら立地等にも幅ができますので条件や  
 契約面で有利に交渉をすすめることが可能です。
 ※実店舗の商売で、「立地」と「規模」は売上を構成する要素として、非常に重要です。
   「売り(商品力)」や「独自性(希少性)」も必要ですが、誰もが認識できるだけの「価値」がない   
   限り立地と規模の要素をカバーすることはできません。
 自店の能力を過信し、立地で妥協して厳しい現実に追い込まれている店は多数存在します。
 当然、妥協不要の完璧な物件というのは殆どありません。
 物件確保をする上での妥協点を見つける判断は大変難しい問題ですが、絶対に譲れないライ 
 ンを明確に持っておくことは重要です。 
 
 経済条件については一般的に、敷金又(及び)は保証金を家主に預けます。
 賃貸借契約の意味合いではほぼ同じ様につかわれますが厳密には(法的には)別物です。(注)
 基本的には退去時に債務を除き返還されますが償却を要求される場合もあります。(注)
 同様に家主に払う費用には、別途返還されないものとして礼金、権利金(内装譲渡金等を含む)
 等が発生することもあるので、契約時までによく確認しておく必要があります。(注)
 家主以外に払う費用として不動産屋に払う仲介料や物件によっては企画業者等に払う企画料等  
 がありますのでこちらも併せて確認が必要です。(注)
 又、事業用に供する不動産の賃貸借では、敷金(保証金)を除くすべての費用に消費税が付加さ 
 れますので、税込税別の確認も忘れずにしておくべきでしょう。
  賃料の設定は物件の規模はもちろん、近隣相場、立地、築年数、施設・設備の状態や特性等に
 よって決まってきますが、同じ建物でも1階と2階或いは1階と地下では違ってきます。
 単純に言うと希少性が高い(借り手が多い)と家主も強気で賃料も高く、交渉の余地は少ない(下
 手に交渉している間に他にとられてしまう)ので素早く判断(チェーン本部が社内のお伺いをたて
 ている間に)して、手付を打てる(為には資金の用意ができている)くらいの準備が必要です。

 賃料その他条件については、妥協点のマイナス面を考慮し、保険を掛ける意味合いで交渉し、
 こちらも同様に譲歩できないラインを明確にしておくのが賢明です。

  テナント型の物件には他にも、ロードサイドでよく目にする、家主に建物を建ててもらうリースバッ
 ク方式(すかいらーく方式)や商業施設の中の一角を借りる区画店舗等があります。又、土地を
 借りて自分で建物を建てたり、不動産を買うという方法もありますが、出店する業態の計画損益
 から施設費の範囲をしっかりと決め、その状況に応じて物件取得をしていくこととなります。
      
 くどい様ですが、物件を決めるという事は、これから商売をしていく上で非常に重要なことです。
 中途半端に妥協しては、ずっと後悔する事になりかねませんが、慎重すぎてはいつまでも先に進
 まなくなってしまいます。
 いい物件だと思って誰もが賛成した物件で失敗した例も数多くあります。
 当然賃料が高く、それは店の固定費としてずっと背負っていかなければなりません。
 
 他のビジネス同様、リスクについては実際に蓋を開けないと誰にもわからないのも事実です。
      

2015年11月20日金曜日

①何のお店を始めるか

商売の内容が決まってない場合は店舗のコンセプトを含め、事業としてトータル的な計画を考えなければなりません。
当然、投資できる金額や用意できる資金によって出来る範囲も限定されてきます。
又、業種によっては免許や許可を要するものもあり、資金だけではなく時間もかかります。
出店する場所についても立地の問題のみならず市場性・競合店等の外的要因や従業員の確保・経済条件等の内的要因の他に契約条件・物件特性等のバランスをみて判断する必要があります。
       
どんなに小さい店でもよほど慣れていない限り、本業の商売とは別にこれらの事(の他にもまだまだ、いっぱいありますが・・)を1人或いは少人数でこなすのは非常に大変且つ非効率的です。
そういった問題を解決するのに、一番わかりやすいのはFC(フランチャイズチェーン)に加盟することですが、これも業種や本部の方針等により多種多様です。
加盟の可否(資金・適正等)のハードルが高いところは、相応なブランド力により安定性が見込めますが、組織が大きい分自由裁量の幅は少なく、収益性も大きいとは限りません。
反対にハードルの低いところは(特にチェーン本部創設期によくみられますが)とにかく加盟店(収入)を増やしたい一心で基準らしきものを持たずに加盟させ自由裁量の幅も広い反面、本部としての義務であるノウハウやチェーンメリットの醸成といった方向性に乏しく、名ばかりの本部も実在します。
いずれにしてもチェーン本部と加盟店は基本的に独立採算性をとっていますので加盟するリスク、出店するリスク、商売のリスク等は最終的に加盟した本人がとるという事を充分に理解して判断する様にして下さい。