2015年11月23日月曜日

②店舗物件の確保について

 店舗物件といっても出店の形態等により何種類かに分かれます。
 一般的にテナントビル等に入居する場合が大半ですが、この場合も現状空いている物件も
 あればこれから空く(予定の)物件や、これから出来る(計画)物件等に分かれます。
 業種・業態により賃貸不可の場合でも、設備内容や条件によっては大丈夫なケースもあるので、 
 諦めずに粘り強く交渉してみるのが良いでしょう。
 これらの物件を(借りる)取得する為にまずは情報収集からはじまります。
 街を歩く、不動産屋を廻る等いろいろな手法はありますが、何十社というチェーン本部の店舗開 
 発(不動産)担当者が日々必死な思いで物件確保に奔走していますのでなかなか良い物件には
 巡り合えず、仮に良物件にあたっても他の希望者と競合したときの条件面(賃料設定や契約条
 項)や信頼面で個人より法人、小企業より大企業が一般的には有利となるので、チェーン店と直
 に競合する形態の店舗は(商売をする上でも)これらの事を念頭にいれておく必要があります。
 逆に、独自性を前面に出して商売ができるフォーマットなら立地等にも幅ができますので条件や  
 契約面で有利に交渉をすすめることが可能です。
 ※実店舗の商売で、「立地」と「規模」は売上を構成する要素として、非常に重要です。
   「売り(商品力)」や「独自性(希少性)」も必要ですが、誰もが認識できるだけの「価値」がない   
   限り立地と規模の要素をカバーすることはできません。
 自店の能力を過信し、立地で妥協して厳しい現実に追い込まれている店は多数存在します。
 当然、妥協不要の完璧な物件というのは殆どありません。
 物件確保をする上での妥協点を見つける判断は大変難しい問題ですが、絶対に譲れないライ 
 ンを明確に持っておくことは重要です。 
 
 経済条件については一般的に、敷金又(及び)は保証金を家主に預けます。
 賃貸借契約の意味合いではほぼ同じ様につかわれますが厳密には(法的には)別物です。(注)
 基本的には退去時に債務を除き返還されますが償却を要求される場合もあります。(注)
 同様に家主に払う費用には、別途返還されないものとして礼金、権利金(内装譲渡金等を含む)
 等が発生することもあるので、契約時までによく確認しておく必要があります。(注)
 家主以外に払う費用として不動産屋に払う仲介料や物件によっては企画業者等に払う企画料等  
 がありますのでこちらも併せて確認が必要です。(注)
 又、事業用に供する不動産の賃貸借では、敷金(保証金)を除くすべての費用に消費税が付加さ 
 れますので、税込税別の確認も忘れずにしておくべきでしょう。
  賃料の設定は物件の規模はもちろん、近隣相場、立地、築年数、施設・設備の状態や特性等に
 よって決まってきますが、同じ建物でも1階と2階或いは1階と地下では違ってきます。
 単純に言うと希少性が高い(借り手が多い)と家主も強気で賃料も高く、交渉の余地は少ない(下
 手に交渉している間に他にとられてしまう)ので素早く判断(チェーン本部が社内のお伺いをたて
 ている間に)して、手付を打てる(為には資金の用意ができている)くらいの準備が必要です。

 賃料その他条件については、妥協点のマイナス面を考慮し、保険を掛ける意味合いで交渉し、
 こちらも同様に譲歩できないラインを明確にしておくのが賢明です。

  テナント型の物件には他にも、ロードサイドでよく目にする、家主に建物を建ててもらうリースバッ
 ク方式(すかいらーく方式)や商業施設の中の一角を借りる区画店舗等があります。又、土地を
 借りて自分で建物を建てたり、不動産を買うという方法もありますが、出店する業態の計画損益
 から施設費の範囲をしっかりと決め、その状況に応じて物件取得をしていくこととなります。
      
 くどい様ですが、物件を決めるという事は、これから商売をしていく上で非常に重要なことです。
 中途半端に妥協しては、ずっと後悔する事になりかねませんが、慎重すぎてはいつまでも先に進
 まなくなってしまいます。
 いい物件だと思って誰もが賛成した物件で失敗した例も数多くあります。
 当然賃料が高く、それは店の固定費としてずっと背負っていかなければなりません。
 
 他のビジネス同様、リスクについては実際に蓋を開けないと誰にもわからないのも事実です。
      

0 件のコメント:

コメントを投稿